戸隠/鬼無里(長野) 新倉山(1252.0m) 2019年2月17日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:39 国道−−6:51 斜面取付−−7:15 尾根に乗る(標高840m)−−8:16 新倉山−−8:50 尾根から外れる(標高840m)−−9:00 沢−−9:10 国道

場所長野県長野市(旧戸隠村/旧鬼無里村)
年月日2019年2月17日 日帰り
天候
山行種類雪山+籔山
交通手段マイカー
駐車場国道脇に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無ほぼ無し
危険個所の有無無し
山頂の展望無し
GPSトラックログ
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コメント国道406号線から沢沿いに進んで林道に乗る前に急斜面を登って新倉山南東尾根に乗り往復。積雪は山頂でも30cm程度と少なく、ワカンもアイゼンも使わず長靴で歩いた。藪もほぼ無く無雪期でも問題なく歩けるだろう。三角点は雪の下で確認できなかった




国道脇の沢入口に駐車 ちょっとだけ廃林道あり
沢沿いに鹿道あり 水量は僅か
左岸は岩壁 沢幅が狭まり右岸の植林地を登る
急斜面にも鹿道あり 標高730m付近。急斜面の真っただ中
標高770m付近。傾斜が緩む 標高830m付近で尾根に乗る。藪皆無
標高950m付近。明瞭すぎる鹿道 標高1000m付近の岩。右を巻く
標高1030m付近。痩せているが危険はない 標高1120m付近。急な登りで鹿道に従い左を巻く
標高1140m付近。巻き終わって上を目指す 標高1160m付近で尾根に復帰
標高1170m付近のペイント 標高1180m付近
山頂直下 新倉山山頂
山頂の目印 山頂の目印と境界標識
赤ペイント 針金。山頂標識の形跡?
気温は約-3℃ 標高830m付近で尾根を外れて沢へ下る
標高730m付近から下ってきた急斜面を見上げる 標高730m付近から下を見る
沢に到着 駐車箇所到着


 旧戸隠村/旧鬼無里村境界の荒倉山最高峰である砂鉢山は登ったことがあるが、南端の新倉山は未踏だ。近場と言うことで取っておいた面もあるが、どこから登るが悩んだ面もあった。車で高度が稼げるのは西側だが概ねどこも等高線が混み合っている。東側は比較的なだらかな場所が多いが登り初めは国道408号線となり、その高度は650m前後だ。坪根集落から林道が伸びて標高830m地点まで延びているのが使えそうだが、この林道は途中に採石場と思われる崖マークと建物群があり、地形図上では道が途切れている。まあ、実際は道は繋がっているだろうが思い切り採石場の中を突っ切ることになりそうだ。採石場がお休みの日なら許容範囲かもしれないが、やっているときは立ち入りできないと判断し、この林道は使わないことにした。

 そこで採石場南西側のトンネル西側から沢に沿って遡上し、林道に上がってすぐに尾根に取付くことにした。これなら採石場には入らないので問題ない。ただし沢の様子は不明で簡単に遡上できるかは現場に行ってみないと分からない。

 当日の朝は例年通りの冷え込みで約-6℃。早朝から国道に凍結防止剤を巻く工事車両がやってきた。ただし路側に雪はあっても路上には露骨に雪が残った場所は無かった。今年はもともと暖冬で雪は少ないし、ここは南斜面なのでさらに雪は少ないと予想していたが、麓では予想より雪は少なく斜面では土が出ている部分も多かった。

 冬装備でワカンやスノーシューを持っていくか悩んだが、下界の様子ではスノーシューの出番というほどではないのは明らかで、ワカンも使うか分からないがワカンを持っていくことにした。当然ながらアイゼンは持ち、念のために軽ピッケルも。もっとも、今回はストックで十分だろうけど。山頂までの標高差は約600mで、この間にどれくらい積雪量が増えるだろうか。

 今日は久しぶりに登山靴で登る予定だったが、足の指に霜焼けができるのを予防するため(もうできているので悪化防止か)の靴用使い捨てカイロを持ってくるのを忘れてしまい、代わりに小型の使い捨てカイロを登山靴に入れてみたがつま先がきつすぎた。しょうがないので長靴にカイロを仕込んで歩くことにした。長靴は内部が緩いのでカイロくらい入れても問題なし。ただしゴム製で断熱性皆無で雪の中を歩くにはかえって冷たそうだが。でも防水性はいいし、この積雪ならスパッツ不要かもしれない。と言いながらロングスパッツもザックに突っ込む。

 出だしは廃林道のような広い道らしきものだが雪に覆われているので道なのかは不明。すぐに沢に入り遡上が始まるが沢の水量は少なく、長靴でなくても自由に渡渉可能な状態であった。流れは出ているが両岸は雪に覆われ、雪の上には明瞭な鹿道ができていた。積雪量は10cm程度だが鹿道は雪が締まって歩きやすいので鹿道を辿る。最初は出だしが左岸だったので左岸を歩くが、切り立ってくると鹿道は右岸へ。鹿は歩きやすいところを選んでいるので人間も歩きやすくて助かる。もう一度左岸へ渡り返すと上部は岩壁帯に変わり、岩の基部に鹿道が続く。

 そのまましばらく左岸を進み、沢の幅が狭まって両岸とも切り立ってきたところで鹿道は右岸の植林斜面を上がっていたので予定変更でそれに倣う。結構な急斜面だが鹿道は非常に歩きやすく、標高720m付近で積雪が無くなってもやっぱり鹿道は歩きやすい。ただ、雪が無いと薮も無いため鹿道は分かりにくくなるが、そんなときは地面の荒れ方を参考に登っていく。周囲には腰位の高さの笹が薄く茂っているが、その葉はことごとく食べられて丸坊主。当然、鹿に食われたのだろう。鹿は笹が好きなわけではないが餌の少ない冬場には笹しか緑が無いことが多く、食われてしまうのだ。もしかしたらこの辺の笹は数年で一掃されてしまうかもしれない。

 標高790mを越えるとやっと傾斜が緩み、適当に登って標高830m付近で尾根に乗る。それまでは南斜面でほとんど雪は無かったがここで雪が登場したが、積雪は僅かでつぼ足で問題ない。それに雪の上には明瞭な鹿道ができており、積雪は少ないとはいえここは雪が締まって歩きやすい。場所によっては人間が作ったトレースではないかと思えるような立派なトレースも。冬でもかなりの数の鹿がここで暮らしているのだろう。

 この尾根は一部を除いて山頂まで予想外に歩きやすい地形と植生で、無雪期でも問題なく使えそうな感触だった。ここはまだそれほど雪深い地域ではないので笹はほぼ皆無だし、山頂まで落葉広葉樹が続く。

 標高1000m付近では尾根上に岩が登場、ここは右を巻いた。尾根上にはあちこちで小規模な岩が見られるが、火山性の古い岩で安山岩や火山礫だった。ここで噴火したというよりも日本列島が現在の形になる前に噴火したものだろう。

 標高1020m付近では尾根幅が狭まるが特に危険があるほどではない。しかし鹿はここは通らないようで鹿道が無く、足首くらいまで長靴が沈むので歩きにくかった。

 標高1120m付近では尾根の傾斜がきつまり、それまでほぼ尾根直上を通っていた鹿道は左に巻いている。最初は直登しようとしたがここだけは意外に雪が深くラッセルがきついので、鹿道に従って左に巻くことに。こちらは南斜面なので雪は少なかったり消えたりしていて格段に歩きやすい。ただしこちらも急斜面で立ち木の間隔が広く掴まる木が無いので特にトラバースは滑り落ちないように慎重に行動。上移動に変われば危険性は格段に減り、標高1160m肩で尾根に復帰した。

 1160m肩の僅かに先で消えかかった赤ペイントが登場。この尾根で初めて見た目印だがかなり古いものらしい。このペイントは山頂にもあった。

 山頂近くでもまだ鹿道は続きラッセルが省略できて大助かり。とは言っても標高1200m付近でも積雪は10cmからせいぜい20cm程度しかない。この界隈は真冬に登ったことはないが、おそらく例年より雪は少ない方だろう。山頂直下まで同じような積雪状況で、鹿道が無い場所でもワカンを使うほどの積雪は無かった。

 山頂到着で傾斜が緩むと一気に積雪量が増えて50cm程度。ぱっと見た感じでは山頂標は皆無で、よ〜く見回すと白い荷造り紐、ピンクリボン、そして薄まった赤ペイントの目印を発見。また、赤ペイントの木の枯れ枝には錆びた針金が巻かれていた。もしかしたらこれは山頂標識を固定していたものかもしれない。周囲は落葉樹林に覆われて展望は悪いが、北側には最高峰の砂鉢山が見えていた。標高がまだ足りないようで、植生はブナは少なくコナラやミズナラが中心だった。

 帰りは往路を戻る。往路では気付かなかったが枝尾根があちこちに出ており、おまけにそれらにも鹿の足跡が付いているので地形図を見ないでのほほ〜んと歩いていると引き込まれてしまう。2か所でルートミスしたが、最終的にはGPSのおかげで往路に復帰することができた。

 最後に待ち受ける沢への急斜面の降下だけは緊張したが、無事に沢に着地。往路で利用した鹿道を利用して車まで戻った。今回は予想外の鹿道に大いに助けてもらった山行だった。

 

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